Downtown Loop / Climber

DOWNTOWN LOOP
Climber

CATALOG#RL66-002/BDJ019
FORMATCD Album
PRICE¥2,310[tax in]
RELEASE2004.4.25
国内盤のみEvolverのメインMC、Bern Biz参加のボーナス・トラック収録

Climber(クライマー)とは
ボタニカから送り出す、最新で最高におもしろいプロジェクトのこと。ShiftとDJ Toshのふたり編成のプロデュースプロジェクト。

チリ出身のShift(MindShift)は、今は解散したマイアミのDeaf to the General Publicのキーメンバーで、70年代前半にアメリカとCIAの後ろ盾からなるピノシェの支配下で起こった南米の混乱から、家族で逃げ出してきたという背景を持つ。

DJ Toshは日本人として生まれながらも、チリのサンティアゴで育ち、アメリカへと渡った。プロデューサー以外にも、DJであり、ヴァイナルコレクターであり、レア音源のベンダーでもある(あなたが持っているレアなボサノヴァ音源も、もしかするとDJToshのルートかも?)

Shiftはチリの学校に戻ってToshに出会い、音楽への共通の愛情と、特にHIP HOPに対する情熱によってこのグループ結成への足がかりを固めた。Downtown Loopはふたりがそれぞれ暮らしたことのあるダウンタウン(マイアミ、サンティアゴ、シアトル、横浜、東京)の描写であり、都市の暮らしの中で日々繰り返されることがらを綴った作品。Climberの言葉を借りれば、「日々良いことも悪いこともとにかく様々なことが起こる。これはアップテンポなものからダウンテンポなものまで行ったり来たりするアルバムで、"loop"という言葉は明日もあさっても同じことが繰り返されるってこと」というわけで、サンプラーはマイアミに住むミュージシャンの作品やら、古い南米ヴァイナルを混ぜこぜにして、豊富でソウルフルな音源に仕上がっている。最初から最後まで、インストのHIP HOPや純粋に音楽を愛するものにとって、クオリティの高い作品として成立している。これはクラシックとも呼んでいいほど、延々とリピートモードで聴くに値するCDかも知れない。

 

アートワークに秘められたメッセージ
カバーイメージは、サンティアゴのダウンタウンのいろんな風景の歪んだコラージュ。これは彼らのコラボレーションが成立した最重要ロケーションである。他のパネルは、マイアミと東京のダウンタウンのイメージも組み込まれている。カバーのイメージは、日々の生活のランダムな風景で、同じ風景であっても過ぎていく日々のなかで違って見えることを表現している。直線、曲線、星、ループなどは、道路標識や歩道、バス路線、店の看板、線路などの、あらゆる都会の風景をつなげるもののイメージである。これが我々の日々の暮らしの舞台であり、我々の歯車を回す原動力になっている。この歯車がこの資本主義社会を動かしている。この歯車でできた機械は、我々と同様、それぞれの利益のために身勝手に消費し続ける。星と丸は日本とチリとアメリカの国旗に使用されている。Climberが過去にも現在にも、故郷と考えた土地だ。

 

La Mano Friaからのメッセージ
アートワークの意味-視覚的なループ。イメージは、Climberが住んだワールドワイドなダウンタウンを描いている。写真はそれぞれ違う人が撮っている。Climberに限らず、人それぞれの違った世界を違った角度から捉えて、メトロポリタンな環境で生き抜いていくために日々もがいている人たちが、こなさなければならないルーティーン。

この作品が放つ最初の印象は、アーティストそのものの存在であり、Climberのふたり自らが表現する、南米の民族や社会のゆがんだ特性である。ジェイクは白い肌のアフリカ人の父親と、チリ人の母親の間に生まれ、チリとアメリカ両方に住み、そして父親の都合でチリに移住してきた日本人の両親を持つToshと出会う。このふたりを結びつけたのは、それぞれが歩いてきた道が、稼ぎを増やすために住むところを転々としてきたという共通の家庭背景を持っているからかも知れない。

稼ぎというものはこの社会では、労働から生み出される副産物である。年を重ねて継続する労働は、人生のポイントを貯めているようなものである。稼ぎがなければ子供も育てられない。子供が育つ大事な年月に両親が働きに出ていると、子供の方もある程度大きくなれば自分自身の生計を立てるべく働くことを覚える。こうして、資本主義的サイクルとループが次の世代へと受け継がれていく。これは我々が生まれた時から宿命的に陥るループの罠ともいえる。

自由に生まれてきたわけじゃなかったのか?それなのになぜこんな奴隷じみた現代社会の流儀にならわなければならないのか?小さい頃からずっと、政府の言うとおりに税金を納め、働いて稼いだ金で物欲を満たし、安定した生活を得ることが模範的市民と教えられてきた。しかし、ここでほとんどの人が気づかないのは、こうしたサイクルが続けられている現象の裏には、裕福なエリートたちがその富をさらに増やすための複雑な策略にはめられているということである。これらのエリートたちは、国際企業や銀行などの裕福な帝国を築き、世界の資源や技術を制御している。

要するに、我々は自分たちで制御不可能なシステムの奴隷であるのだが、この奴隷にもふたつ種類がある。ひとつは幸せな奴隷、もうひとつは不幸な奴隷。アメリカの奴隷制度の歴史を紐解くと、家庭用奴隷と農業用奴隷という分け方にも当てはまる。日本やアメリカ、西ヨーロッパなど、いわゆる先進国と呼ばれるところでは、幸せな奴隷、もしくは主人の家に住み、快適な暮らしと自分の趣味を持つことが許されている、農業用奴隷がいる。豪華なアパートメントに住み、美味しいものを食べ、ショッピングモールで買い物をし、コンピューターを買い、高い車に乗り、旅行をし、クラブで遊び、巨大な映画館で映画を楽しむ、そんな生活を手に入れるために毎日一生懸命働く。家庭用奴隷はこんなもので満足して、それを得るため、そしてそこからもう一つステップを上げるための日々のルーティーンはいとわない。南アジアや中南米などの後進国に住む農業用奴隷は、家庭用奴隷と同量、もしくはそれ以上の労働を強いられながらも、他の世界から分断されて生活していることで、比較対象を持たずに最も底辺に生きている。そして農業用奴隷はただ漠然と家庭用奴隷になることを夢見て、移住を考える。

このようにしてループは完全に繰り返される。
このサイクルがいつか壊れるその日まで。

 

Funk + Dope Breaks + Soul + amazing production= Climber,   (the future of funk)
Danny(Counterflow/レーベルオーナー)

大胆な生音、 メランコリックなメロディー、強いソウルを感じるブレイクビーツ・アルバム
奈良安浩(JAZZBROTHERS / STRAIGHT NO CHASER)

数多くのダウンタウンを渡り歩いた二人が想い描いた安住の地。それは流麗でブルージー、 誰しもの心に響くマスターピース
北川達哉(Writer/Jazzy Sport)

これまでのボタニカの精神はそのままに、 かつボタニカ史上もっともエモーショナルでソウルフルに仕上がった輝かしい一枚
岡田信也

UPDATED 2006.05.01
DOWNTOWN LOOP / Climber


1. Intro
2. 9:07
3. Cafe con Piernas
4. One Flush Left
5. Royal Blue
6. GetAway
7. Coke Cigarettes
8. December until...
9. Monday Morning
10. Different (Intro)
11. Just Like You
12. Jesus Fixed my Car
13. Outro
14. From Start to Finish* *JAPAN ONLY BONUS TRACK!